ベーシックストラテジーの勝率と期待値を徹底検証|理論値と実践値を比較
ブラックジャックのベーシックストラテジー(基本戦略)とは、最も期待値が高くなるアクションをまとめた表ですが、果たして本当に勝率や期待値は上がるのでしょうか。ストラテジー表に沿ってブラックジャックをプレイすることで、理論上は勝率約6%、期待値で約3%程度上がることになりますが、半信半疑の方も多いと思います。
本記事では、ブラックジャックで使われるベーシックストラテジーの有効性を勝率や期待値、その他確率から検証します。
- ブラックジャックの勝率と期待値の理論値
- ベーシックストラテジーの勝率や期待値の実践値を検証
- ベーシックストラテジーの期待値に影響するブラックジャックルールの違い
目次[閉じる]
ベーシックストラテジー(基本戦略)とは
ベーシックストラテジーとは、ブラックジャックのプレイヤーハンドとアップカードの組み合わせから最も勝率の高いアクションを取る戦略です。プレイヤーハンドに基づいて3種類のストラテジー表を使い分け、ディーラーのアップカードと交差するアクションを選択します。
ベーシックストラテジーは3種類のストラテジー表を暗記するだけで誰でも簡単に使えるようになるので、ブラックジャック必勝法で最初に覚えるべき基本戦略です。
詳細:ベーシックストラテジー完全ガイド|表の覚え方と期待値を上げるブラックジャック戦略
ベーシックストラテジーで勝てない仕組み
ベーシックストラテジーは、ブラックジャックの最適化された基本プレイスタイルであり、特別な必勝法を使わなくても期待値は98%を超えていきます。
一方、ディーラーも同様に期待値が最も高くなるようにプレイしています。つまり、プレイヤーが完璧にベーシックストラテジーを使っても、ディーラーのプレイ手法には勝てないことになります。仮にプレイヤーがベーシックストラテジーを使っても「1-2%のハウスエッジ」は取られます。
これを踏まえると、ベーシックストラテジーは勝つための戦略ではなく、「負けを最小化する戦略」と言えます。ただ、基本プレイで「負けの最小化」ができれば、以下2パターンの戦略で利益を出しやすくなります。
- ギャンブルの波を利用して勝ち逃げ
- 他の必勝法と組み合わせて利益を狙る
ブラックジャックのベーシックストラテジーは期待値が高いので、ギャンブルの波がプラス方向に振れやすくなります。また、基本プレイで負けを最小化しているため、他の必勝法で勝ちを最大化できる可能性が高くなります。
このように、ベーシックストラテジーは最低限の知識であり、常にプラスαの戦略を考えながらブラックジャックをプレイすることで大きく勝てるようになります。
ブラックジャックの勝率と期待値の理論値とは
ブラックジャックの勝率と期待値は、後ほど詳しく説明しますが、使用するデッキ数や細かいルールによって多少変わってきます。ただ、ベーシックストラテジーの有無は勝率と期待値に大きく影響します。
ここでは、オンラインカジノのライブブラックジャックに採用されている最も主流な以下条件に沿って、ベーシックストラテジーの有無で変わる理論確率を紹介します。
条件項目 | 条件内容 |
---|---|
使用デッキ数 | 8デッキ |
ダブルダウン | ハンドに関係なく、いつでも可 |
再スプリット | スプリッド後のスプリットは1度まで(3ハンド制限) |
サレンダー | 不可 |
※ブラックジャックの勝率や期待値の平均は統計的に算出される概算値
ベーシックストラテジーの有無で変わる勝率の理論値
ブラックジャックの理論勝率は、プレイヤーのハンドやアクションにより変動しますが、通常ベーシックストラテジーの有無で勝率は以下のようになります。
ベーシックストラテジー無し | ベーシックストラテジー有り |
---|---|
43%~45% | 48.0%~49.5% |
ブラックジャックは最も勝てるカジノゲームと言われますが、この事実はベーシックストラテジーを完璧に使うことを前提としています。例えば、ヨーロピアンルーレットは勝率48.6%で2倍配当を獲得できるので、ブラックジャックでベーシックストラテジーを使わなければ、ルーレットより勝てないことになります。
ベーシックストラテジーの有無で変わる期待値の理論値
ブラックジャックのプレイヤー期待値は「賭け金と勝率」により決まります。また良く似た言葉に「還元率」とありますが、還元率は期待値の割合を表す指標なので、ほぼ同じ意味になります。まず以下に賭け金をX円としたとき、表の勝率(仮定)に基づき、ブラックジャックの期待値と還元率をまとめます。
ベーシックストラテジー無し | ベーシックストラテジー有り | |
---|---|---|
勝率(仮定) | 45.0% | 49.0% |
期待値 | -0.1X円 | -0.02X円 |
還元率 | 90.0% | 98.0% |
仮に軍資金100万円でブラックジャックをプレイしたとき、ベーシックストラテジーを使えば98万円が手元に戻りますが、使わなければ90万円しか手元に戻りません。つまり、ブラックジャックの期待値は理論上、ベーシックストラテジーの有無で約8%前後の誤差が生じることになります。
期待値=(勝利したときの利益額)×勝率+(負けたときの損失額)×負ける確率
ただし、損失額の符号は「-(マイナス)」と考える
ブラックジャックのベーシックストラテジーは、理論上は非常に有利になることが分かったと思います。
ベーシックストラテジーの勝率と期待値を実践シミュレーションで検証
ここでは、オンラインカジノのブラックジャックに「ベーシックストラテジー」を使って100ゲームのシミュレーションを実施します。そしてブラックジャック100ゲームの実践勝率と期待値を理論値と比較します。
上記動画からシミュレーション結果のポイントを以下表にまとめます。
検証時間 | 34分36秒 |
---|---|
賭け金 | £1(約180円) |
開始残高 | £100 |
終了残高(損益) | £119.5(+£19.5) |
勝敗数(勝率) | 52勝13分35敗(勝率59.8%) |
最大連勝数/最大連敗数 | 4連勝/4連敗 |
瞬間最大利益/瞬間最大損失 | +£21.5/-£1 |
今回利用したRED TIGER社のクラシックブラックジャックは、サレンダーと合計9~11以外のダブルダウンが使えないのでヒットで代用しています。
ベーシックストラテジーの勝率を実践値に基づいて検証
ブラックジャックのベーシックストラテジーを使った実践勝率は約59.8%という結果になりました。ベーシックストラテジーを使った理論勝率は48%~49.5%程度とされていますが、本シミュレーションでは10%以上高くなり、非常に有効性の高い必勝法ということが分かりました。
特にプレイヤーハンド12とアップカード6のような局面で、ヒットする人も多いと思いますが、ベーシックストラテジーに基づくと、スタンドになります。今回のシミュレーションでもベーシックストラテジーを使ったからこそ勝てた際どい局面もありました。
ベーシックストラテジーの期待値を実践値に基づいて検証
ブラックジャックのベーシックストラテジーを使った実践期待値は「+0.195」という結果になりました。還元率に直すと「119.5%」です。ベーシックストラテジーを使ってブラックジャックに£1を賭けたときの理論期待値は「-0.02」となるので本来100ゲーム終了時点では合計£2減ることになります。
一方、本シミュレーションでは£19.5増なので期待値の観点からもベーシックストラテジーの有効性は疑いようの余地がありません。ただ、今回使用したクラシックブラックジャックの還元率(公表値)は99.28%なので、101ゲーム以降続けていると必ず損失に向かうので注意してください。油断せずに勝ち逃げを徹底しましょう。
ベーシックストラテジーの期待値はルールの違いに影響
ベーシックストラテジーを使用したときのブラックジャック期待値は詳細ルールによって異なります。
もし、厳密にベーシックストラテジーを使用するなら、ブラックジャックの期待値が98%以上になる条件やルールを満たしたテーブルを選ばなくてはなりません。
以下はブラックジャックのルール別に期待値の変化率をまとめた表です。ただし、期待値に影響するルールは他にもあり、分かりやすい例のみを抜粋しています。
条件項目 | 条件詳細 | 期待値の変化率 |
---|---|---|
使用デッキ数 | 1デッキ | +0.00020 |
6デッキ(ランドカジノ) | -0.00054 | |
8デッキ(オンラインカジノ) | -0.00057 | |
ブラックジャックの配当 | 2:1 | +0.0226 |
3:2 | ±0.0000 | |
ダブルダウン | 任意のタイミング | ±0.0000 |
合計ハンド10-11に限定 | -0.0018 | |
合計ハンド08-11に限定 | -0.0009 | |
合計ハンド3以上 | +0.0024 | |
スプリット | 再スプリット禁止 | -0.0004 |
再スプリット1回 | ±0.0000 | |
再スプリット2回 | +0.0001 | |
A(エース)の再スプリット | +0.0008 |
このようにブラックジャックの各ルールで変動する期待値を合計したとき、「-0.02未満」になるテーブルなら、ベーシックストラテジーを使うことで期待値98%を超えることができます。
ちなみに、オンラインカジノのブラックジャックには、各ルールの期待値を合計すると「-0.005」のようなテーブルがあり、この期待値は99.5%前後となります。もっと詳しく知りたい方は以下参考サイトをご覧ください。
参考:BLACKJACK HOUSE EDGE CALCULATOR
ベーシックストラテジーの勝率・期待値の検証まとめ
本記事では、ベーシックストラテジーの勝率と期待値を実践のブラックジャックで検証しました。
ベーシックストラテジーはブラックジャックの基本戦略とも呼ばれ、プレイヤーハンドとアップカードの組み合わせから最も勝率の高いアクションを使う必勝法です。3種類のストラテジー表が用意されており、暗記するだけで誰も簡単に使えて勝率を大きく向上できます。
ブラックジャックの勝率は通常45%前後ですが、ベーシックストラテジーを使うことにより理論上、49%前後まで引き上げることができます。それと同時に還元率も99%前後まで向上します。今回のベーシックストラテジーを使ったブラックジャック100ゲームの実践シミュレーションでは、勝率は約59.8%、還元率は119.5%と理論値を大きく上回る結果となりました。
ただ、ギャンブルの波がプラスに向いているときに100ゲームへ到達した可能性が高く、101ゲーム以降も続けていると負けていたと思われます。ブラックジャックのベーシックストラテジーを使用する際には、常に負けることを想定して勝ち逃げを徹底しましょう。