オンラインカジノの運営ライセンスとは|安全性を保つ仕組みと信頼性の評価
オンラインカジノに対して、公平性や透明性の観点から不信感を持っている方は多いのではないでしょうか。
その原因は「よく分からない海外企業の運営」や「ギャンブルに対する否定的なイメージ」が大きく関連しているように思います。
そこで本記事では、オンラインカジノの安全性を維持するための仕組みや信頼性の指標となる運営ライセンスの種類、サイト運営会社の企業努力について説明します。
- オンラインカジノの運営ライセンスとは何か
- オンラインカジノが安全性を維持して運営できる仕組み
- 運営ライセンスの種類と各ライセンスの信頼性
オンラインカジノの運営会社には、ライセンスの取得・更新が義務付けられていますが、ライセンスの種類によって信頼性は大きく異なりますので、各ライセンスの特徴を理解しておくことが大切です。
目次[閉じる]
オンラインカジノの信頼性を示す運営ライセンスとは
オンラインカジノの運営ライセンスは、国家又は自治領の政府機関によって発行されます。
ライセンスを保有しないオンラインカジノで遊ぶと、国際的には適法性がない為、詐欺などの被害に遭遇する危険性が高くなります。
オンラインカジノで遊ぶ前には、必ず運営ライセンスを確認した上で、遊ぶようにしましょう。
逆に言えば、運営ライセンスを保有しているオンラインカジノであれば、信頼のおける企業が運営しているという事になります。ただ、オンラインカジノの基本知識がない方は、ライセンスを理解する前に、オンラインカジノの基本について知っておきましょう。
参考:オンラインカジノとは | 基礎から学ぶ初心者向け実践ガイド
オンラインカジノ運営とライセンスの関係性
オンラインカジノの公正な運営には、ライセンス発行機関の他にも複数の企業と連携が必要になります。
特に、オンラインカジノの運営には、大きく以下4つの機関が連携しています。
- オンラインカジノの運営会社
- 決済代行会社
- ソフトウェアプロバイダー
- ライセンス発行機関・監査機関
ここでは、「④ ライセンス発行機関と監査機関」について、以下で詳しく見ていきます。
ライセンス発行国の役割り
オンラインカジノのライセンス発行国には、運営会社の適正やユーザーの安全対策を審査・監視する義務があります。そしてオンラインカジノの運営会社は、ライセンス発行国に対して一般企業の支払う法人税とは別に、「ゲーミング税」の支払いも発生します。
ライセンス発行国の役割については、具体的に大きく3つあります。
- オンラインカジノ運営会社の適正を審査
- 運営会社の健全な企業活動と持続性の監視
- カジノ運営会社とユーザーの紛争解決
役割1. オンラインカジノ運営会社の適正を審査
ライセンス発行国は、オンラインカジノの運営会社の経営リソースや経営陣の経歴、スキル、資金などを総合的に審査します。オンラインカジノの運営会社は、ユーザーがゲームに勝てば、即座に数万円~数億円単位のお金を出金しなくてはならず、豊富な資金力や企業モラル、経営者の適正など、幅広い項目で審査を受けます。
また、ゲーミング税はライセンス発行国の大きな税収となっており、オンラインカジノの単独的な不正は、ライセンス発行国の信頼にも関わるので厳しくチェックされます。
役割2. 運営会社の健全な企業活動と持続性の監視
オンラインカジノのライセンスは、一度取得して終わりではありません。
オンラインカジノの運営会社は、定期的にライセンスの更新を義務付けられており、ライセンス規定に沿って運営されているかを監視されます。代表的な項目としては、経営組織の変更やマネーロンダリング防止対策、ゲームの勝率データなどが挙げられます。
このように、ライセンスの種類はオンラインカジノの信頼性に直接影響してきます。
役割3. カジノ運営会社とユーザーの紛争解決
オンラインカジノは、インターネット上でお金を賭けて遊べるカジノゲームなので、オンラインカジノとユーザー間では度々、問題も起こります。
ユーザーは、何か問題が起こると、まずはオンラインカジノのカスタマーサポートへ連絡することになりますが、オンラインカジノの悪意ある対応や不正な出金拒否など、解決が困難な際にはライセンス発行機関の窓口に相談することができます。
ただ、オンラインカジノのライセンスは発行国によって信頼性が異なり、信頼性の高いライセンスほど真摯に対応してもらえる可能性が高いです。
運営ライセンスの種類と信頼性
オンラインカジノの運営ライセンスは、様々な国によって発行されていますが、その取得難易度はバラバラです。
また、オンラインカジノの運営ライセンスを保有しているからと言って、「必ずしも安全」とは限りませんが、少なくともオンラインカジノの信頼性を見分ける上で大きな指標となります。
そこで世界的に取得難易度や監査基準が厳しく、信頼性の高いオンラインカジノの運営ライセンスを紹介します。
ライセンス名 | 発行国 | 取得難易度(信頼性) |
---|---|---|
MGA | マルタ共和国(EU加盟国) | ★★★★★ |
GC | キュラソー(オランダ領) | ★★★★★ |
HM Government of Gibraltar | ジブラルタル(イギリス領) | ★★★★☆ |
Gambling Commission | イギリス | ★★★★☆ |
Kahnawake | カナダ | ★★★★☆ |
gov.im | マン島(イギリス領) | ★★★★☆ |
PAGCOR | フィリピン | ★★★☆☆ |
※上記表はライセンス発行数やサイト調査をもとに独自評価
MGA(マルタ)
マルタ共和国は地中海に位置する小さな島国です。
マルタ共和国は小さな島国ですので、外国企業に参入してもらう事で経済発展をする必要性があり、オンラインカジノライセンスの発行に至っています。
そのマルタ共和国が発行するライセンスが MGA です。MGA はMALTA GAMING AUTHORITYの略です。MGAは世界一規制の厳しいライセンスと言われており、取得難易度は最難関のライセンスです。
- カジノシークレット(Casino Secret)
- ラッキーニッキー(Lucky Niki)
GC(キュラソー)
キュラソーは、カリブ海に位置するオランダ領の島国です。
そのキュラソーが発行するライセンスはGC (Gaming Curacao) です。
キュラソーは1999年からライセンスの発行を行っている事もあり、キュラソーのライセンスを保持しているオンラインカジノは数多く存在します。
またキュラソーのライセンスも取得難易度が高く、日本で有名なオンラインカジノも取得しています。
- ベラジョンカジノ(Vera&John)
- カジ旅(Casitabi)
- ミスティーノカジノ(Mystino)
HM Government of Gibraltar(ジブラルタル)
ジブラルタルは、イギリスの海外領土であり、イベリア半島の南東に突き出ている半島に位置しています。
ジブラルタルは1998年にライセンスの発行を開始した老舗のライセンスです。そのジブラルタルが発行するライセンスはHM Government of Gibraltarです。
HMはHer Majestyの略であり、日本語に直訳すると「女王陛下」という意味になりますが「イギリス」という意味もあります。つまり「HM Government」=「イギリス政府」という事になり、政府機関が発行するライセンスである為、ジブラルタルのライセンスは非常に信頼性が高いです。
- 888カジノ(888 Casino)
Kahnawake(カナダ)
カナダが発行するライセンスはKahnawake Gaming Commisionです。
Kahnawake (カナワケ) は、カナダのケベック州モントリオール近郊にある先住民のモホーク族の居留地の名称の事です。カナワケのライセンスは、入出金の速度や決済手段の利便性が高いオンラインカジノ向けに発行されている事が多いライセンスです。
また、ライセンスの有効期限が2年と比較的短めに設定されている為、オンラインカジノ側にとっては頻繁にライセンスを更新する必要があります。そのため、2年に1度は監査なども詳細に行われる事もあり、信頼性が高いライセンスと言えます。
- エルドアカジノ(Eldoah)
Gambling Commission(イギリス)
イギリスが発行するライセンスはGambling Commissionです。
Gambling Commissionは、イギリス政府によって発行されているライセンスという事もあり、信頼性が高いライセンスとなっています。
イギリスのライセンスは、1960年から発行されており非常に歴史のあるライセンスです。また、イギリスのライセンス審査はとても厳しい事で有名で、オンラインカジノのゲームの公平性から資金管理方法だけでなく、プレイヤーに対する保護が十分であるかなど様々な観点で審査をした上で発行されます。
- ウィリアムヒル(William Hill)
gov.im(マン島)
マン島は、ロンドンのあるグレートブリテン島とアイルランド島の間に位置する小さな島国です。
gov.imはマン島のギャンブル監督委員会によって発行されています。
gov.imのライセンスを取得するには、有能な経営実績・能力が要件とされており、かつ十分な運営資金がある事が条件である為、取得が難しい為、gov.imを保有しているオンラインカジノはあまり多くありません。
- ポーカースターズ(PokerStars)
PAGCOR(フィリピン)
PAGCOR(パグコー)は、フィリピン政府の発行するカジノ運営のライセンスです。
フィリピンには、PAGCORの他にFirst Cagayan(ファーストカガヤン)ライセンスもありますが、PAGCORはランドカジノにもライセンスを発行していることから、より信頼性が高いとされています。
ただ、ヨーロッパ系のライセンスと比較して、取得しているオンラインカジノは少ないのが現状です。
- エンパイア777(Empire777)
安全性を維持するための第三者監査機関
オンラインカジノの運営会社は、ライセンス取得後も第三者機関によって、定期的に監査を受けます。
第三者機関はオンラインカジノの運営会社だけでなく、オンラインカジノにゲームを提供するソフトウェアプロバイダーも監査対象となります。
第三者機関は、ライセンス発行国の政府が管轄する独立専門機関で、主にゲームの公平性や還元率(ペイアウト率)などをチェックします。
ただ、第三者機関の監査はオンラインカジノの運営会社にとって、任意とさており、ライセンス発行機関の定期監査だけでも運営することができます。
ライセンス発行機関の監査に加えて、第三者機関の監査も受けているオンラインカジノは、より安全性が担保されます。但し、日本で圧倒的な人気を誇るベラジョンカジノのように第三者機関の監査を受けていない優良オンラインカジノも多数存在します。
eCOGRA(イーコグラ)
eCOGRAは、2003年にオンラインカジノの公平性をチェックする為に設立されたNPO法人です。
eCOGRAは、独自の審査基準を設けており非常に厳しいことで有名です。
信頼のおける国のライセンスを保持しているオンラインカジノでも、審査で不合格となることがある程、厳しい審査基準となっています。eCOGRAが認定しているオンラインカジノとの間で問題が発生した場合はプレイヤーの助けになってくれる頼もしい存在です。
GLI(Gaming Laboratories International)
GLIは、ギャンブル関連の審査機関の中で最大規模を誇ります。
GLIは1989年にアメリカのニュージャージー州で設立されて以来、オンラインカジノだけでなく、ラスベガスやマカオのランドカジノも監査しています。
元々、TST(Technical Systems Testing) がGLIグループに入り、現在のGLIの一部となっています。
iTech Labs
iTech Labsは、オンラインカジノのゲームに対する認定を10年以上に渡り行っている監査機関です。
Techという名称の通り、ゲームにおける品質保証やセキュリティテストなどを行ったり、乱数ジェネレータを用いてゲームの公平性などをチェックしている監査機関です。
iTech LabsもeCOGRAと並んで信頼性の高い第三者機関の一つです。
GAMCARE
GAMCAREは、ギャンブル依存症などに苦しむ人たちやその予備軍の人に対するカウンセリングなどを行っているイギリスの民間団体です。
オンラインカジノのサイト内にGAMCAREのロゴがあれば、自己規制の機能を導入していたり、ギャンブル依存症に対する対策を講じているオンラインカジノである為、プレイヤーに対して親身になってくれる可能性があります。
TüV compliant(テュフ コンプライアント)
テュフ コンプライアントは、オンラインカジノに関する製品の安全試験やコンプライアンステストなどを行っています。オンラインカジノだけではなく商品や工業製品にいたるまで幅広い製品のテストを行っている会社です。
本社はドイツですが、支店は世界中にあり、日本にも事務所があります。
ソフトウェアプロバイダーのライセンス取得
オンラインカジノのゲームを開発しているソフトウェア会社は、オンラインカジノと同様のライセンス取得、そして第三者機関の定期監査が義務化されています。
ユーザーが常識の範囲内でオンラインカジノのゲームに勝てるか否かは、ソフトウェアプロバイダーの提供するゲームプログラムに関わります。またソフトウェアプロバイダーは、各ゲームのペイアウト率やスペックを公表しており、実質値と比べて偏りがある場合には監査機関から指摘を受けます。
MicroGaming社は、オンラインカジノのゲームを開発するために設立された世界初のソフトウェアプロバイダー会社です。当社はマルタ共和国のMGAライセンスを取得して、eCOGRAの定期監査を受けています。
オンラインカジノ運営のライセンスまとめ
オンラインカジノの安全な運営は、ライセンス機関や第三者機関の働きによって維持されています。
日本ではオンラインカジノに対してネガティブな印象を抱く人々もいますが、内情は非常にしっかりとした運営体制が取られています。
ただ、オンラインカジノのライセンスは、発行国によって取得難易度や審査基準が違うので、登録する前にはライセンスの種類や第三者機関の監査についても確認しておくと良いでしょう。